愛 get pissed, destroy!

愛の怒りでぶっ壊してやる!

ピカレスクセブンを観てきました

昨年、はてなブログを通じて様々な俳優さんや作品の存在を知り、2018年は推しとか関係なく気になった舞台には出来るだけ入るようにする!という目標を立ててみました。籠城いくない!外に出よう!

でもただ見に行ってあー楽しかったー!いい作品だったなー!はいっ、終わり!…で済ませるのも勿体ないよなあと思いまして。せっかく推し事に関わるはてなブログを所持しているのですし、だったらここで感想を書こうじゃないか!と思い立ちました。

それに伴いまして、以前色々あった際に抜けておりました「若手俳優について」グループに再加入させていただきました。

「観劇感想」というカテゴリにて参加させていただきますので、舞台の感想のみ反映されるはず。改めまして、再びお世話になります!よろしくお願いします!

 

 

そしてその第一弾として、少年社中さんのピカレスクセブンを観て参りました!

 

時は江戸時代。三代将軍、トクガワイエミツの治世。
長き戦乱の世は終わりを告げ、トクガワ幕府の元に天下の泰平は永劫に続くかに思われた。
だが…。世を再び乱世に戻さんとする者が現われる。
東照大権現・トクガワイエヤス』
かつてトクガワ幕府を開き、泰平の世の礎を築き上げた、その人であった。
冥府より黄泉返りしトクガワイエヤスは『神』を名乗り、5人の亡者と共に瞬く間に日ノ本を手中に収める。
民は嘆き悲しみ、日ノ本は闇に包まれる…。
さらに、その魔の手は世界にまで伸びようとしていた。
だが、その中にあってイエヤスに反旗を翻さんとする者達がいた。
人は彼らをこう呼んだ。
ピカレスク◆セブン』と。
イエヤスの孫『トクガワイエミツ』は、異世界[物語の世界]より召喚されし
[七人の極悪人]を率いて日ノ本を奪還するための戦いを始める。
だが、一筋縄ではいかない七人の極悪人。
その一人である『マクベス』は全てを裏切り、日ノ本を自らの手中に収めようとする。
果たして日ノ本を手に入れ世界をその手に収めるのはいったい誰なのか?
七人の悪漢は裏切りの果てにいったい、何を見るのか?

今世紀最大のピカレスクロマンが幕を開ける。

少年社中20周年記念第一弾 少年社中×東映 舞台プロジェクト【ピカレスク◆セブン】

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このキャッチフレーズ、めちゃくちゃシンプルだけどめちゃくちゃ格好良くないですか?すごく好きです。

 

ピカレスクセブンの登場人物たちは、基本的にほぼ全員が極悪人。

それでいて、みんな自分の野望の為に動いていて、イエミツだったりイエヤスだったり誰かの下についたりしたうえで、利用したり裏切ったり寝返ったりする。場面転換もものすごく多いし、今誰がどこにいて、天下は誰のものでーっていうのがぐるんぐるんと目まぐるしく変わっていく。でも一度も頭の中で躓いたりこんがらがったりすることなくするするストーリー入ってくるから、すっげー!って。シリアスなシーンでも不意にふふっと笑わせて来たりもするし、台本見たところ*1アドリブや日替わりネタも多かったみたいだし、わたしの観に行った愛知公演は家康生誕の地岡崎ということでそれにちなんだ小ネタもあったりで、きっとこれ何度行っても楽しかったんだろうなー!

 

極悪人。と聞くと、とにかく常識や理屈が通用しなくて、ひたすらに「自分はこうしたい!」という我儘だけを貫き通して、その為なら手段は選ばない人。みたいなイメージがあったのですが、この作品に出てくる極悪人たちは、実は自分の野望や叶えたい願いの為、極悪人にならざるを得なかったような人たちばかりで。確かにみんな悪い人だけど、100%の悪人なんていませんでした。だから、本当の悪ってなんだろうって、すっごく考えた。

 

マクベスジャック・ザ・リッパー

イエミツとピピにより集結させられた“蘇りし悪人・ピカレスクセブン”の中でも特に際立った極悪人・マクベスシェイクスピアマクベスがそのまま蘇った設定で、日ノ本に蘇ってもなお魔女の予言に乗り日ノ本を征服しようとします。演じるのが鈴木勝吾さんでめちゃくちゃ顔がいいしビジュアルが強いし性格もあんなんだしで、正直何度か直視できね~~~!!!むり!!!!って思いました…顔がいいって罪だよ…中盤の白マントとか「URマクベス」じゃん…あのカードは一体諭吉何人溶かしたら入手できるんですか…しかもお声までイケボってマクベス様完璧超人だ…こわい…イケメンこわい………(まんじゅうこわい的な意味で)

そして佃井皆美さん演じるジャック・ザ・リッパー。元ネタはロンドンで実際に起こった連続殺人事件の犯人、切り裂きジャック。今現在も切り裂きジャックが誰なのか、真犯人の判明していない未解決事件ですが、調べてみたところ切り裂きジャック女性説も、切り裂きジャック貴族説も結構有力みたいなんですよね。でも、今回のピカレスクセブンに登場するジャック・ザ・リッパーに近い容疑者像は出てこなくて。つまりオリジナルなんだろうけど、その設定がめちゃくちゃ素敵で!ていうか、切り裂きジャックが女性でミニドレスで双剣佃井皆美さんなのガチでわかりみがすごい(小並感) 何度か「おっほwwwふとももwwwww」って思ってすみませんでした!!!!!(スライディング土下座)

シェイクスピアマクベスの中で、夢遊病に冒されたマクベス夫人が夜な夜な手に染みついた血を洗い流そうとする描写があります。マクベスからすればそれは所謂トラウマというもので。そしてジャック・ザ・リッパーも、殺人鬼と知った家族により地下に幽閉されてから、ずっと手を洗い続けた。それを聞いた瞬間の!マクベスが!畏怖するかのように後ずさるの!胸を抉られたかと思うくらい悲痛な場面だったけど、そこがめちゃくちゃ好きでした。その後のマクベスが震えながら言った「お前の孤独は俺が埋めてやる。…今度こそ」という台詞、確かにジャックに向かっての台詞なはずなのに、でも違う場所を向いているかのように聞こえて。悲しくて苦しくて、大好きなシーンでした。えーーーん地獄で幸せになって欲しい~~~~!!!!!

 

≪魔女≫

萌えキャラでは?(違います)

シェイクスピア同様、日ノ本でもマクベスに対して予言を与え動かすことで、マクベスの行動を楽しむ。極悪人揃いの今作の中でも、もしかしたら一番芯のブレない極悪人(人…?)なのかもしれない。

…んだけど。マクベスの一挙手一投足に笑い、驚き、焦るさまがさあ…見てるとめちゃくちゃ可愛いんだよ…!例えば魔女のひとりがヌルハチへと姿を変えた瞬間、残り2人が前のめり気味に「かっこいー!」と目を輝かせる場面とか。マクベスを襲おうとする巴御前の気配を察知し「はっ、殺気!」「強い!」と慌てて下がる場面とか。裏芝居なんかもめっちゃ可愛いんですよ!マクベスがジャックに「ひょっとしてお前、男を知らないのか?」と抜かした場面で後ろで「ああもう本当に…この子はなんてことを言ったんだ…!」とでも言うように頭を抱えた魔女見ました?めっちゃ可愛くないですか?そういうところばっかり見てたので、あのFFⅦの黒マント*2みたいな何の色気もへったくれもない衣装もなんだか可愛く思えてきてしまってですね…あの長い裾を気にせず飛んで跳ねて踊る魔女めっちゃくちゃ可愛い…!3人が固まってひそひそおはなししている場面が好きです。すっかり推しキャラです。魔女箱推し。(?)

とは言え、シェイクスピア同様マクベスを動かす重要な役割もあり、そういったところでは「己の欲望の為に行動する」極悪人のそれをひしひしと感じました。マクベスを唆す場面とか…えっぐいね…

シェイクスピアでは魔女の予言を聞いたマクベスがその内容を手紙で伝えたことがきっかけで、夫人は狂ってしまった。日ノ本に蘇ったマクベスは魔女の「強き妃を娶れ」という予言に従いジャック・ザ・リッパーを手中に収めた。魔女はマクベス以外の誰からも見えません。もし、ジャックにも魔女が見えていたとしたら(もしくはマクベスが魔女の存在や予言のことをジャックに話したとしたら)、ジャックはどんな行動を取ったんだろう。夫人と重なる節の多々あったジャックは、もしかしたら同じ運命を辿っていたのかもしれない…結果的にジャックはマクベスの手により終わりを迎えたのだけれど、その瞬間を見ながらも、そんなことをつい考えてしまいました。

…あれ、魔女の話してたのにマクベスとジャックの話になってる。あれ。おかしいな。まあいっか!

 

≪ピーターパンとフック船長≫

かわいーーー!!!!♡♡♡♡♡(沸いた)

ピーターパンとフック船長。ネバーランドでは永遠の宿敵であるはずの彼ら。ピカレスクセブン内でもその宿敵感はあったものの、でもそれを凌駕する勢いでペア感がすごい。で、そのペア感が、なんというかなあ…相棒的な。マイバディ的な。そんな背中を預けるような関係に見えて、どちゃくそ萌えました。こんなピーターパンとフック船長もアリ!いい!かわいい!萌!

ヌルハチの台詞にもあったように、ピーターパンとフック船長の決着はネバーランドで付けるべきで、2人は日ノ本では協力関係みたいな存在になります。ピーターパンはちょっと不服そうだったけど。マクベスもそうなんだけど、この基の作品やキャラクターの世界観を壊さずにピカレスクセブンの世界線で生かす感じ、すっごく推せませんか?わたしこのヌルハチの台詞超感動しました。まあ魔女箱推しなのもあるけど(?)

ピカレスクセブン自体が少年社中さん20周年記念作品だったこともあってか、ピーターパンやヌルハチなんかは過去作にも出てきたキャラクターのようで、そのパロディ?オマージュ?なのかな?そんなシーンも幾つかあって。申し訳ないのですがピーターパンの登場するネバーランドは未履修状態なんですけど、めっちゃ興味沸きました。ピカレスクセブンの円盤、つい劇場で予約してしまったので、それが届くタイミングでネバーランドの円盤も欲しいなあ。というか、社中さんの作品気になるものばっかりで「ここからここまで全部下さい!」って言いたくなる。全部観たい。時間とお金が足りない。

はいかわいーーーー!!!!!!!これは観ます、絶対に観ます。ぎゃんかわ~~!!!

 

≪イエミツ≫

マクベスと並ぶキャラクターで、マクベスが黒ならイエミツは白。マクベスが闇ならイエミツは光。将軍でありながら殺生経験がなく、「今までした悪いことといえば、仕掛けられた罠にかかってたねずみを片っ端から逃がしたことくらい!あとですっごい怒られた!」ときらきら笑顔で話しちゃう超絶ピュアホワイト青年。後から台本見たらこの「今までした悪いこと」の部分はアドリブで毎公演違ってたらしくて、他にどんな悪いことをしたのかめっちゃくちゃ気になりました。東名阪マチソワやって、ガチで毎公演違ったんだとしたら、ねずみ逃がすレベルでも積み重なっていけば相当なワルになるのでは…?つって。

そんな超絶ピュアホワイト青年が眼前で展開される極悪人たちの死闘を通し、日ノ本の天下を取り戻すべく覚悟を決めて“悪”になる。マクベスとの最終決戦での「白いまま黒くなってやる!」という台詞がもうなんか…泣けました。純粋に。将軍になんかなりたくなくて、でもみんなの笑顔は守りたくて、その為には将軍として天下を統べなければならなくて。その願いを叶える為に、なりたくもない“悪”になる。マクベス然り、ピカレスクセブンに登場する極悪人たちは、イエミツ同様そうやって悪になったんだろうけど、そんな中でも決して完璧な悪にならず、善を忘れることなく悪人になろうとするイエミツの姿には胸を打たれるものがありました。イエヤスとの決戦後、客席に背を向けて上を向きながらハンゾウと黒タイツに「さあ、行こうか」と呟く場面、表情こそ見えないものの、きっと目に涙いっぱい溜めつつそれを零すまいと一生懸命堪えていたのであろうその背中にも、同様に。

マクベスが最後に「こいつと生きてみたかった」と遺して息絶えたのも、あんなに弱くて非力だったイエミツの成長を誰よりも、文字通り身体で受け止めたマクベスが言うからこそ響きました。

ハッピーエンドを望んだピピに対しての「これはハッピーエンドじゃない、始まりだ」という台詞の通り、ピカレスクセブンはこれで終演でしたが、イエミツの統べる日ノ本はこの先も続いていくんだと思います。その未来が平和で幸せなものであるよう、祈らずにはいられませんでした。続編…は難しいだろうけど、スピンオフとかでどうなったか知りたくなりますね。分からないからこそ良いのだろうけど。

余談ですがイエミツくんのお餅食わず嫌いは比喩でもあるけどそれ以上にガチのもので、天下を取り戻した後に城でお餅焼いて「お餅って…こんなに美味しいんだね…知らなかったなあ…」ってちょっとほろっとしててくれたりしたらわたしが泣きます。ハンゾウも泣きます。黒タイツも泣きます。全日ノ本が泣きます、きっと。極悪人になってもイエミツくんは超絶ピュアホワイト青年のままで、そんなイエミツくんだからこそ立派な将軍として日ノ本を平和に統べてくれることでしょう!

 

 

カーテンコールで、客席後方から急きょ呼びつけられた(笑)主宰毛利さんのお話と、井俣さん始め社中メンバーさんの感極まったような表情に、20年の重みを感じました。続けるって労力もいるし本当に大変なことだけど、「この先も30年、40年と続けて行きたい」という言葉の通り、社中さんにはこの先もずっと素敵な作品を届けてもらいたいな。

改めまして、少年社中さん20周年おめでとうございます!素晴らしい作品をありがとうございました!

 

 

*1:グッズで台本売ってくれるのまじ推せる!ありがとうございます!

*2:ニブルヘイムに大量発生するやつ